機材について知ろう
このページは友人であるゆっこ氏に制作していただきました。心から感謝するとともに敬意を表します。
ゆっこ氏が作成した原本は以下のリンクよりご確認いただけます。
カメラワーク用語→https://www.polarisoffice.com/d/2ROUOfUl
マイクの基礎知識→https://www.polarisoffice.com/d/2ROUUM9H
目次
1.カメラワーク用語
◇カット(ショット)…撮影上の場面
◇シーン…脚本上の場面
◇シーケンス…複数個のシーンの塊
◇シロ…編集を一切していない映像のこと
◇フィックス…カメラを三脚などに固定して撮ること
◇パン…カメラを左右に振ること
◇ティルト…カメラを上下に振ることティルトアップで上に、ティルトダウンで下に振る(パンアップ、パンダウンともいう)
◇フォロー(流し撮り)…動いている被写体を追って撮ること
◇ZI・ズームイン…ズーミングで被写体に寄っていく
◇ZB・ズームバック(ZO・ズームアウト)…ズーミングで被写体から引いていく
◇DI・ドリーイン…実際に被写体に近づいていく
◇DO・ドリーアウト…実際に被写体から離れていく
◇カメラユビキティ…カメラはどこに置かれてもいいという考え
◇イマジナリーライン…カメラを向けたときの被写体の方向性、位置関係を維持するための仮想線
☆イマジナリーラインは意図がない場合は超えないのが基本
◇ハイアングル(俯瞰)…上から「撮ること」
◇水平アングル…標準的なアングルで「撮ること」
◇ローアングル(あおり)…下から「撮ること」
◇ハイポジション…高い位置から撮影した「ショット」
◇アイポジション…目線と同じ高さから撮影した「ショット」
◇ローポジション…低い位置から撮影した「ショット」
◇LS・ロングショット…広い画、遠い風景
◇FS・フルショット…主要な被写体を中心とした全景
◇MS・ミディアムショット…主要な被写体を中心とした中景
◇FF・フルフィギュア(FS・フルショット)…人物の全身
◇KS・ニーショット…人物の膝から上
◇WS・ウエストショット…人物の腰から上
◇BS・バストショット…人物の胸から上
◇US・アップショット…必要部位のアップ、人物なら顔
◇CU・クローズショット…画面いっぱいに映す
◇ジャンプカット…同一の被写体を同一のカメラポジション、画面サイズでカット繋ぎしたもの
◇マッチカット…前後のカットのアクションが滑らかに繋がっているように見える繋ぎ方(カットとカットをうまく繋ぐのに相性がいい画)
◇エンタブリッシングショット…場面の全体の状況を冒頭で構成する画
◇マスターショット…その場面をおいて構成するショット(基本になる画)
◇インサートショット(抜き)…CUなど途中で挟まるショット


2.マイクの基礎知識
1、マイクの種類とチェックポイント
〇カメラ内蔵マイクか?外部マイクか?
風景ショットを撮るときはカメラ内蔵マイクでもよいが、インタビューやドラマでは外部マイクの使用が必須である。
注意点)カメラのタイプによって二種類ある
①外部マイクのプラグをマイクジャックに差し込むと、自動的に外部マイク優先(アマチュア用に多い)
②カメラ側のスイッチで、内蔵マイクか外部マイクを選択するカメラ(プロ用に多い)もあるので注意
〇ダイナミック型マイクかコンデンサ型マイクか?
▽ダイナミック型マイク
動電型とも呼ばれ、空気の振動で磁石の中でコイルや金属箔を動かして電気を起こす。なじみやすく安定した力強い音が特長。比較的頑丈でもある。中域の音に向く。
用途:広く拡声、楽器収音
長所:比較的安価で丈夫。
短所:構造上、繊細な音の収音は不向き。
電源不要
SHURE SM58
▽(エレクトリック)コンデンサ型マイク
別名静電型。振動膜にあらかじめ電気を貯めておいて(これがコンデンサー)、音を受けてこの振動膜が動くと電圧が変わる原理を応用。高い周波数敏感で感度が高く歯切れの良い音が特長。
用途:レコーディング、測定
長所:繊細な音、微細な音を収音できる
短所:高額でデリケート
電源が必要
オーディオテクニカ エレクトリックコンデンサーマイク
〇電源はどこから供給されるか?
エレクトリックコンデンサ型マイクでありながらマイク本体には電源をいれず電源が(マイクの外部の)カメラやミキサーから供給されるものもある。(内部電源でも外部供給電源でも両方使える製品もある)
▽プラグインパワーマイク
カメラ本体のマイクジャックから音声信号に電源を重畳して供給して使えるマイク
(マイク入力端子にplug in powerの表示があるビデオカメラで使用可能)
▽ファントム電源マイク
プロ用オーディオ機器の外部供給マイク(電源の大小があるので適合するものを使う注意)
マイク入力端子にphantom等の表示があるビデオカメラやオーディオ機器で使用する
〇マイクの指向性は?(無指向性か?)
どの角度の音をはっきり捉えることができるか、どの向きに適度がいいか、というのを「指向性」という。マイクロホンの「指向性」はユニットの特性、置き方、音の進入経路など様々な要素から決定される。
そしてもちろん用途や使い方は大きく関わってくる。
マイクロホンは全方向からの音を拾う「無指向性」のものと特定方向からの音だけを拾うように設計された「単一指向性」という二つの種類にわけられる。また単一指向性のマイクのうち、特に指向性が強く狙った音をピンポイントで拾うことのできる超指向性のタイプのものを「ガンマイク」とよぶ。
指向性については下図で表示されている通りである。
なお「双指向性」は前後二つの音源を強く捉えることができ、主にリボンマイクロホンのことをさす。また「鋭指向性」は狙った音の延長線上の遠い音を拾える指向性のことで主にショットガンマイクロホンのことである。
単一指向性マイクは正面から入る大きな音だけを拾う。下図のように単一指向性マイクには後側面に空気穴が開いており会場全体に響くような音は正面からと空気穴からと同時に入るので音を拾う「振動板」をプラス方向とマイナス方向に同じ大きさで振動させようとするため、結果的に振動板を動かさない。振動板に対して正面から強く吹き込まれた音(歌声や話し声など)は空気穴から入る音量と正面からの音量の差が大きいのでその音だけが振動板を動かし結果的には正面からの強い音だけを拾うマイクになる。単一指向性マイクを効果的に使うには空気穴を塞がないことが大切。
〇マイクの正しい持ち方
ハウリングを起こさないようにするためには空気穴を塞がないように右のような持ち方をし無ければならない。ハウリングが起きると周囲からの音を拾いすぎたせいだと勘違いしやすいがそれは間違い。空気穴を塞いでしまうと結果的に無指向性マイクと同じになってしまうので音が響かなくなる。
「マイクロホン基本(指向性編)」
http://www.audio-technica.co.jp/atj/html/mic/02/
▽超指向性ーガンマイク
野外のロケなどで雑音や風の音を避けたり役者から離れた場所でセリフを拾うなどの用途で使う。
風防ジャマーと毛皮(ムートン)で覆われている。
〇取材目的に合致したマイクか?
▽ステレオマイク
ステレオ録音は臨場感や音の奥行などの再現に適している。
ステレオマイクは一本のマイクの中に右・左チャンネル用の二つのマイクを内蔵している。一本のマイクから二本のマイクケーブルが出ているかステレオプラグで音声信号が出力される。一人の人物の言葉を拾う場合でもステレオマイク(又は二本のモノラルマイク)で録音するとセリフに奥行感が出る(下手に使うと左右どちらかに偏った音になる)。
オーディオテクニカ AT822
▽バイノーラルマイク
両耳に装着した二本のマイク(カメラマンの耳に挿した部分がマイクになっている)でバイノーラル録音した音声にデジタル信号処理を施し音の方向や距離感を再現するデジタルビデオカメラ向け技術。
ビクター バイノーラルマイク
〇カメラのマイク入力の方法は?
▽バランス型(平衡型)とアンバランス型(不平衡型)
キャノンXLR
標準プラグ/ステレオミニプラグ
バランス型は雑音対策を施した二芯(ホット・コールド)シールドケーブルを使う。一方アンバランス型は標準プラグ、ミニプラグなどの単芯シールドケーブルなので雑音対策がされておらず長く引き回すと周囲の機器から雑音の影響を受けることがある。
※チャンネル、入力インピーダンス、プラグ形状と合致しているか?
※変換プラグを重ねていないか?
※折れたり壊れたりしたときの予備は持っているか?
〇ワイヤレスの使用(周囲で使用中の周波数と干渉しないか?)
ワイヤレスマイクはマイクの音声信号(トランスミッター)に入力し発信機から受信機(レシーバー)に無線または赤外線で信号を飛ばし、受信機の出力信号をビデオカメラの音声入力に入力する。レシーバーの音声出力がマイク出力レベルになっているものとライン出力レベルになっているものがあるので注意。
ワイヤレスマイクはカメラマンとインタビュアーが有線(マイクケーブル)と繋がっていなくていいので人ごみや屋外でインタビュアーが離れる時などには便利である。しかしイベント会場などでは場内で使われているワイヤレスマイクの周波数と重なって干渉音が出たりすることがあるので注意が必要だ。










